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2016-10-09 22:05:00

―当クラブ例会 第2182回(9月27日) 会員卓話より―

 

断崖絶壁に立つロータリー
 大河の流れは方向を見失う
    紋別港RC 小野 哲


 2016年の規定審議会で、ロータリーは歴史的な方針変更を致しました。その代表的な事項は、会員身分と例会についてです。クラブの裁量権が大きく広げられ、クラブの裁量権に従って、最善のルールを決定することになります。平たく言えば、誰でも会員になれ、例会も2回、または場合によってはそれ以下でも良いという、RIの驚くべき柔軟的な姿勢です。私達日本のロータリアンにとっては驚天動地の決定と言えましょう。日本の多くのロータリアンにとって、ロータリーは誕生以来、試行錯誤を通じて、奉仕哲学を根底に置く社交クラブに発展し、それを誇りに倫理運動を続けている団体と理解しています。そして、会員資格について厳しい決まり、つまり例会への出席、会費の納入など、多くの義務が課せられています。また、入会には、クラブ会員全ての賛同が必要で、そのための社会性や品性も問われるのです。ロータリアンとしての誇りは、この時点から生まれ、育って行きます。その厳しい決まりが大きく緩和され、もしかしたら入会する人物についても、クラブ例会も全く問われず、クラブが存続して行くのです。
 ロータリーの高邁(こうまい)な思想、それに基づく社会へ、人への奉仕活動は、やがてカゲが薄れ、奉仕哲学なきロータリーに堕落して行く可能性があります。


 追い詰められるロータリー


 私は“これは絶対に許されるべきでない。もしこんな緩んだ考え方が許されるなら、日本のロータリーは、あるいはクラブの中にはRIから脱退するケースも生まれるだろうと思います。ある方は「真のロータリーを残すために、ノアの箱舟に乗って、そこから脱する場合も…」と言いました。私も同じ考えです。こんな堕落したロータリーになんて、籍を置く意味がないとも思いました。
 しかし、少し冷静になって考えますと、ある意味、ロータリーは既に、断崖絶壁に立っているのだと思います。会員の減少は目を覆うばかりで、特に先進的な国、地域で、ロータリーの会員が減少し、クラブが衰退して行くのが現状です。世界全体的には122万人以上を維持して居りますが、この中には入会してすぐ退会する人、または簡単に入会するため、会員数だけは増え続けるクラブも多いのです。
 ロータリーにとって、最大の危機を迎えるのはこれからです。危機とは会員の減少です。このままでは、会員数の減少により、維持できないクラブが続出する可能性があり、またロータリーの組織そのものが力を失い、RIは地球を俯瞰した奉仕事業を続けられなくなり、存在感なきロータリーになって行きます。ロータリーは追いつけられているのです。
 
 
 既に先達の遺産を食い潰した 


 そう考えれば、RIが会員、例会の持ち方に大幅な規制緩和を行い、組織全体を維持しようとする考えが、自然に行き着く当然の決定と言わざるを得ません。従って、ロータリーは断崖絶壁に立たされていると、私は思うのです。
 ロータリーは、時には大河に例えられます。最初は小さな流れ、水溜りだったものが、周辺からの小川や、湧き水が集まり、次第に明確な流れに変わり、やがて堂々たる大河に成長するように、ロータリーもまた、同じ状態を経て世界的な組織に成長したのです。しかし、成長の勢いが持続したのは、実は30年程と言えます。ロータリーが見る見るうちに米国内、世界に広がって行った勢いの強い時期は、実はロータリーの奉仕思想が、成熟に向け懸命な努力をしている時期でした。1923年のセントルイス大会での決議34号で、ロータリーは成人に達したというのが一般的です。しかしそれ以降は、特に第二次世界大戦以降は、ロータリーは成長を停止し、それでもロータリー哲学を心に一定の奉仕活動が出来たのは、過去の先達の遺産を食い潰してきたからです。
 そして100年という節目を経過した今日、ロータリーという大河は、本流から反れて他方に流れる川が本数を増しています。堂々たる大河の流れは、実に心許ない、勢いを失いかけた河になって来ています。曲がり角に来たロータリー、砂漠の砂に潜って、姿を消そうとしているロータリー。このままでは大河は消滅してしまうかも知れません。


大河は永遠に流れ続ける
そのための努力こそ大切


 ですが、それで良いのでしょうか。縁あって、ロータリーの奉仕哲学に触れる幸運を得た私達ロータリアンは、このロータリーという大河を守り、維持し、世界の平和に、思想の面からアプローチしなければなりません。それがロータリーというレガシーを受け継ぐ私達の責任でありましょう。河の流れが細くなっても、深ささえあれば、川は存続するでしょう。その深さとは何か。先達が追い求め、遂に到達したロータリーの奉仕思想です。RIがどういう手段を取ろうとも、私達はロータリーの教えをしっかり守り、次の人へバトンを渡さなければなりません。


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